
測定・比較するなら
SROI
社会的投資収益率(Social Return on Investment)
社会的価値を金銭換算し「投資1円に対して何円の社会価値を生んだか」を算出する
概要
SROI(Social Return on Investment:社会的投資収益率)は、事業・プログラムが生み出す社会的・環境的・経済的価値を貨幣換算し、投資額との比率で示すフレームワークです。「1円の投資で3円の社会価値を生んだ(SROI比率3:1)」のように表現されます。財務ROIの概念を社会的価値に応用したもので、異なる事業間の比較や、社会的投資の意思決定に使われます。
こんな時に使う
- 社会的・環境的価値を財務的な数字で説明したいとき
- 複数の社会的プログラム・事業のインパクトを比較するとき
- 行政・財団・投資家への説明責任を果たすための証拠を作るとき
- 事業の社会的コストと便益を定量的に評価するとき
活用ステップ
1
スコープを設定する
分析対象の事業・期間・ステークホルダーを明確にする。
2
アウトカムをマッピングする
各ステークホルダーに対するアウトカムを洗い出し、変化の方向と性質を整理する。
3
財務代理指標(Financial Proxy)を設定する
社会的価値を金銭に換算するための代理指標を選択・設定する(例:1年の健康寿命延伸 = X万円)。
4
調整係数を適用する
死荷重(もともと起きた変化)・代替性・帰属性・減衰率を考慮してアウトカム価値を調整する。
5
SROI比率を算出・解釈する
「総社会的価値 ÷ 総投資額」でSROI比率を計算し、感度分析で結果の妥当性を検証する。
◎ メリット
- ·社会的価値を「円(貨幣)」で表現できるため、経営会議・投資家説明で説得力が高い
- ·異なる種類の社会的価値(環境・健康・教育)を一つの数字に統合できる
- ·SROI比率によって、社会事業の「費用対効果」を直感的に理解できる
△ 注意点
- ·財務代理指標(Financial Proxy)の設定が主観的になりやすく、数字の信頼性が問われる
- ·計算プロセスが複雑で、専門知識と相当の工数が必要
- ·「社会的価値を金銭換算すること」自体への批判・倫理的議論がある
活用事例
英国政府が社会投資プログラムの予算配分判断にSROI評価を活用
社会的企業がインパクト投資家への説明資料としてSROI報告書を作成
地方自治体が福祉・医療プログラムの費用対効果評価に採用


